障がい者の就労支援
現在、地域において現場に密着して展開できている制度や組織は少なく、特別支援学校、授産施設、作業所等の職員が、個別に地域の企業等と関係をつくり動いているのが実情である。
「障がい者」は、社会生活において何らかの障がいがあるから「障がい者」なのであって、規定の職業訓練と斡旋するだけで、その後のサポートがなくても問題が生じないのであれば、彼らを「障がい者」という必要がない。
そのため、現在の社会状況も考慮すると、受け入れた企業側に彼らに関するすべての責任を担わせることは難しいことが多い。
もちろん、対応している企業もあるが、そのような企業は限られており、そのことが障がい者の社会参加の機会を制限する、そして、社会的に不利益になることであるならば、何らかの対応は必要であろう。
地域(現場)で求められているのは、就労前段階の窓口(制度)でなく、就労後も継続的に支援できる専門職(人)であり、それを継続していくために必要な体制(組織)である。制度はそれを保障するためにあればいい。
そう考えると、もっとスッキリできるような気がするのだが・・・
その点では、平成14年の「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」改正に伴い聞かれるようになった「ジョブコーチ」などが、地域で実質的な動きができるようになると、状況は変わってくるかもしれない。ただ、これも制度が草の根的な活動を制限するようなことにならない、という条件があるが。
以下は現在機能しているフォーマルな就労支援。
公共職業安定所(ハローワーク) | 地域障害者職業センター | ジョブコーチ | 障害者就業・生活支援センター | 障害者雇用支援センター | 障害者職業能力開発校 | 特例子会社 | 行政の施策
■公共職業安定所(ハローワーク)
公共職業安定所(ハローワーク)は、職業安定法に基づく国民に安定した雇用機会を確保することを目的とした行政機関。
ハローワークインターネットサービス
障がい者向けの説明
事業主向け障がい者雇用の説明
千葉労働局
職業対策課(高年齢者・障害者等雇用支援)
ハローワーク松戸(松戸市、柏市、我孫子市、流山市)
ハローワーク野田(野田市)
ハローワーク船橋(船橋市、習志野市、八千代市、鎌ヶ谷市、白井市)
■地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構が設置、運営しており、公共職業安定所との密接な連携のもと、障がい者に対する専門的な職業リハビリテーションを提供する施設として、全国47都道府県に設置されている。
障がい者一人ひとりのニーズに応じて、職業評価、職業指導、職業準備訓練及び職場適応援助等の各種の職業リハビリテーションを実施するとともに、事業主に対して、雇用管理上の課題を分析し、雇用管理に関する専門的な助言その他の支援を実施する。
<職業評価>
就職の希望などを把握した上で、職業能力等を評価し、それらを基に就職して職場に適応するために必要な支援内容・方法等を含む、個人の状況に応じた職業リハビリテーション計画を策定。
<職業準備支援>
ハローワークにおける職業紹介、ジョブコーチ支援等の就職に向かう次の段階に着実に移行させるため、センター内での作業体験、職業準備講習、社会生活技能訓練を通じて、基本的な労働習慣の習得、作業遂行力の向上、コミュニケーション能力・対人対応力の向上を支援。
<職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業>
障がい者の円滑な就職及び職場適応を図るため、事業所にジョブコーチを派遣し、障がい者及び事業主に対して、雇用の前後を通じて障害特性を踏まえた直接的、専門的な援助を実施。
<精神障害者総合雇用支援>
精神障がい者及び事業主に対して、主治医等の医療関係者との連携の下、精神障がい者の新規雇入れ、職場復帰、雇用継続のための様々な支援ニーズに対して、専門的・総合的な支援を実施。
<事業主に対する相談援助>
障がい者の雇用に関する事業主のニーズや雇用管理上の課題を分析し、雇用管理に関する専門的な助言、援助を実施。
千葉障害者職業センター
千葉市美浜区幸町1-1-3
TEL 043-204-2080
FAX 043-204-2083
■ジョブコーチ
ジョブコーチとは、米国においてリハビリテーション法の改正(1986年)で定められた Supported Employment により制度化された、障がい者の就労支援の専門職。米国においても厳密な資格制度はなく、求められる役割などについては、サービスとして提供している機関により異なるようだ。
最近日本でもジョブコーチという言葉が聞かれるようになったが、その役割としては、施設などの中で就職するまでの職業訓練や評価するだけでなく、就職後も職場に入って必要な支援をしていくことも含めることが主流となっている。
特に平成14年から、地域障害者職業センターでジョブコーチによる人的支援事業が行われている。
この職場適応援助者助成金制度を利用しジョブコーチとして活動をする際には、独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構の行う職場適応援助者養成研修や、特定非営利活動法人 ジョブコーチ・ネットワークが行うジョブコーチ養成研修を修了することが必要となる。
独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構
職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業
柏市においては、障害福祉課がジョブコーチ派遣事業を行っている。
(ジョブコーチについては、社会福祉法人 桐友学園 沼南育成園が、千葉障害者職業センターと柏市の委託を受けている。)
■障害者就業・生活支援センター
障がい者の職業生活における自立を図るため、公共職業安定所、地域障害者職業センター、障害者雇用支援センター、社会福祉施設、医療施設、特別支援学校等の地域の関係機関との連携の下、障がい者の身近な地域において就業面及び生活面における一体的な支援(障がい者の就業及びそれに伴う生活に関する指導・助言・職業準備訓練のあっせんなど)を行う。平成14年の「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」改正により創設。全国に135ヶ所ある。(平成19年4月現在)
就業及びそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障がい者に対し、センター窓口での相談や職場・家庭訪問等により指導、相談を実施。
<就業支援>
・就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習のあっせん)
・求職活動支援
・職場定着支援
・事業所に対する障がい者の障がい特性を踏まえた雇用管理に関する助言
・関係機関との連絡調整
<生活支援>
・生活習慣の形成、健康管理、金銭管理等の日常生活の自己管理に関する助言
・住居、年金、余暇活動など地域生活、生活設計に関する助言
・関係機関との連絡調整
障害者就業・生活支援センター ビック・ハート
社会福祉法人 実のりの会
柏市柏1-1-11 ファミリ柏3F
TEL 04-7168-3003
■障害者雇用支援センター
障害者雇用支援センターとは、障害者雇用促進法に基づき設置されるもので、福祉関係施設入所者等就職が特に困難な障がい者の職業的自立を図ることを目的として、地域において障がいの種類や程度に応じ、職業生活に必要な基本的な労働習慣や職業能力などを身につける就業前の準備訓練から、就職・職場定着に至るまでの一貫した相談・援助を行う。全国に14ヶ所あるが千葉県内にはない。
なお、平成14年の障害者雇用促進法改正により、障害者就業・生活支援センターが実施されたので、その位置付けが正直よく分からない。
■障害者職業能力開発校
障がい者が就職に必要な知識や技術・技能を身につけることを目的に設置されている。
国立13校、県立6校
千葉県立障害者高等技術専門校
内容: DTP・Webデザイン、福祉住環境デザイン、PCビジネス、PC会計、PC事務
千葉市緑区大金沢町470
TEL 043-291-7744
FAX 043-291-7745
■特例子会社
特例子会社とは、障害者雇用促進法に定義され、障がい者の雇用のために特別の配慮をしていると公共職業安定所長から認定を受けた子会社。親会社と子会社を障害者雇用率制度及び障害者雇用納付金制度の適用上、特例的に子会社を親会社の事業所とみなす。したがって、障害者雇用促進法上で「特例」なだけであって、それ以外は「普通」の会社。つまり、作業所などのような非営利の組織ではなく「営利法人」であり、形態は株式会社となる。
<特例子会社設立の具体的なメリット>
1 障害者雇用率の達成が可能になり、親会社等の納付金が減額されるか、雇用率によっては調整金が支給される。
2 社会的責任を履行できるとともに、社会的なイメージアップが図ることができる。
3 障がい者の特性に配慮した仕事の確保、職場環境の整備、適切な人材(専門スタッフ、指導員など)の確保が容易になるため、障がい者の能力を引き出すことができる。
4 一般的には障がい者の定着率が高まるので、募集の費用や労力が軽減できる。
5 定着率が向上することで生産性の向上も期待できる。
6 障がい者の雇用について、適切な環境整備を図れば十分に能力を発揮できることが職場全体に深まる。
7 創意工夫をすることが大切であることの理解を企業全体に深めることができれば、企業全体の生産性向上につなげることも可能になる。
8 個々の職場で障がい者受け入れのための整備を行うのに比べて、設備投資などを集中して行えるので、費用の軽減を図れる。
9 特例子会社設立によって、各種助成制度を利用しやすくなる。
<特例子会社の認定要件>
1 親会社が特例子会社の意思決定機関等を支配しているとともに、特例子会社が株式会社であること。
2 親会社からの役員派遣、従業員出向等、親会社との人的交流が緊密であること。
3 雇用される身体障害者及び知的障がい者が5人以上で、かつ、子会社の全従業員に占める割合が20%以上であるとともに、雇用される身体障がい者等に占める重度身体障がい者及び知的障がい者の割合が30%以上であること。
4 身体障がい者等のための施設の改善、選任の指導員の配置を行っている等身体障がい者等の雇用管理を適正に行う能力を有していること。
5 その他、重度障がい者等の雇用の促進及びその雇用の安定が確実に達成されると認められること。
柏市内には下記の特例子会社が協力会社として店舗を持っている。
スワンベーカリー(株式会社 スワン)(特例子会社)
ノーマライゼーションの理念を実現させるためにヤマト福祉財団、ヤマト運輸株式会社が設立した株式会社。
スワンベーカリー柏店
生活クラブ生協千葉が母体となり、社会福祉法人 生活クラブが運営する。
■行政の施策
以下は、近隣市を含む行政の就労支援策。
雇用者側、被雇用者側区別なく羅列しているがご容赦いただきたい。
一般的に商工課などが窓口になっているのが雇用者側への施策で、福祉課などが窓口になっているのが被雇用者側への施策。
他にもあるかもしれないが、インターネット上で確認できたものだけ掲載する。
<柏市>
心身障害者雇用促進奨励補助金(商工課)
ジョブコーチ派遣(障害福祉課)
※ジョブコーチ派遣については、柏市第四次総合計画第三次実施計画の中で平成20年度まで実施となっているが、実施状況については詳細不明。
(ジョブコーチについては、社会福祉法人 桐友学園 沼南育成園が、千葉障害者職業センターと柏市の委託を受けている。)
<千葉県>
障害者就労支援室(商工労働部産業人材課)
<厚生労働省>
障害者雇用対策
<我孫子市>
無料職業紹介所(商工観光課)
<流山市>
障害者就労支援センター(障害者支援課)
流山市障害者職場実習奨励金(商工課)
流山市雇用促進奨励金(商工課)
<野田市>
障害者総合相談・就労支援センター(社会福祉課)
障害者総合相談・就労支援センターについて
野田市無料職業紹介所(商工課)
野田市雇用促進奨励金(商工課)(のだ市報より)
野田市障害者職場実習奨励金(商工課)(のだ市報より)
<松戸市>
就労支援(財団法人 生きがい福祉事業団)
就職支度金の支給(障害福祉課)
<市川市>
市川市障害者就労支援センター「アクセス」(障害者施設課)
雇用促進奨励金(商工振興課)
障害者職場実習奨励会(商工振興課)
<船橋市>
新規就労支度金(障害福祉課)
雇用促進奨励金(商工振興課)
障害者職場実習奨励金(商工振興課)

